突然ですが、みなさんは、米国のFARA(正式名称:Foreign Agents Registration Act)という法律について、耳にしたことはありますか?
ひとことでいえば、この法律は、①米国外の関係者のために、②米国において、③一定の活動(政治活動・広報活動など)を行う者に対して、米国政府への登録と情報開示を義務づけるものです。もともとは1938年に作られた法律で、ナチスや共産主義といった思想を米国内で広めることを規制することに主眼を置いたものだったのですが、時代は移り、改正などを経て、米国関係者の政策・方針・世論などに影響を及ぼしうるような米国外関係者のための活動は、(純粋な商業活動などを除いて)広くこの法律の対象とされることとなりました。
では、この法律は、日本の企業が行うビジネスにも適用されうるのでしょうか?答えはYESです。
たとえば、「日本の官公庁から受託して、米国企業に対して日本への誘致活動を行うケース」を考えてみてください。これは、日本政府のために、米国企業の経営方針に影響を及ぼしうる広報活動を行うのですから、まさにFARAが問題となりうる場面です。また、「日本政府関係者が登壇する米国内での講演・イベントのサポートを行うケース」はどうでしょうか。この場合も、例えばそのサポートの一環として登壇者のトーキング・ポイントのレビューを行うような場合には、政治活動・広報活動等に関与するものとしてFARAの適用が問題となりえます。
中国でも、世界中で中国の批判をしたらダメという法律を作る。など、治外法権という概念がなくなってくるある意味グローバル化が進み始めているのか。。。